空転軌道『D.E.』を観ました。

13 2月

山下です。

先日東京へ行ってきました!
目的は空転軌道『D.E.』。
ジャグラーの小林智裕さんが結成したジャグリングの団体による旗揚げ公演です。

僕は10日の初回を観覧しました!
せっかくなので感想など書いていきたいと思います。
長いです。まぁたまには。


 

全体の感想を一言で言えば、「上手い」というところです。
技術にしろ演出にしろ、相当上手にこなしてあったと感じましたが、かつその上手さ・大変さをあまり意識させないあっさりさ・スマートさがあったかなと思います。
これはジャグリングの「すごさ」よりも視覚的な「美しさ」を見せることの方に重点があったためでしょうか。

構成は、シガーボックス・クラブ・ライトアップボール・ディアボロ・リングの順に、中心となる演者を変えつつ、基本的には複数人数で動いていました。(多分。覚え間違いあるかも?)

ジャグリング的には「これは新しい!」となるような何かしらはそれほどなかったように思います。
JINさんの大きな木枠を利用したシガーボックス演目は新たな可能性へ開いているものでした。もっと膨らませたものが観たいですね!
その他の、ライトアップボールでの細かい音合わせや、ジャグリングしながら服を着る、リングなどの多人数でのパス、などは発想だけで唸らせる類のものではなく、それをいかに美しく実現するかという部分が重要だったのかなと思います。
やはり技術的アイデア的な「新しさ」に今回の公演の力点はなく、先にも書いたように「美しさ」が魅力でした。
(というよりも「新しさ」にこだわってしまうのはたんに僕個人の趣味ですね。)

空転軌道の作品は基本小林智裕さんがつくった舞台だ。と僕は思っていますので、ここで小林さんに関して少し。
小林さんは個人での活躍(JJFCS優勝、IJA銅賞)の他に、2011年から「Gimmick」、2012年には「トコトコ企画」など空転軌道以前にもいくつか団体をつくって舞台に立つなどしているジャグラーです。
個人ではリングをメインに演目を行っていて、もう何年も以前から綺麗なジャグリングの見せ方を確立させているように思います。
僕はGimmickもトコトコ企画も観たことがありますが、僕の観たところではGimmickでは「音」を主題に、2012年のトコトコ企画の公演『めぐるぐる』では「光」を主題にした演目を行っていました。
それらの延長上の舞台である今回の『D.E.』の主題はあえて言うならジャグリングの視覚的な「美しさ」なのかな、と感じなら僕は眺めていました。あるいは団体名にあるように「軌道」なのかもしれませんが。

空転軌道に関して、他のジャグリング団体などと比較して思うことのひとつは、「ただひたすらジャグリングの方を向いている」という点です。
何か別のジャンルのものをジャグリングに持ち込んだりすることに熱心になるのではなく、ジャグリングにすでにある良さ(「美しさ」?)を明確に形にしようとしている。
そこに僕個人としてはかなり好印象を持ちましたし、将来性も感じました。

今回の出演メンバーは皆、かなり舞台で映える道具の扱い方をするジャグラーが集まっていたな、という印象でしたが、個々人の目指す方向性は決して同じではないのかもなとも思いました。
小林さんの目指すものを実現していくために、是非今後は同じ方向を向いているメンバーを育てていって、より良い舞台を作っていってほしいですね!

空転軌道、次は五月に東京で公演があるようです。

なお、ピントクル『DOTS & HOLES』のチラシも折込させていただいていましたよ。

山下耕平