『秘密基地vol.7』演者紹介4 パ技ラボ(パフォーマンス技術研究会)

11 12月

こんにちは、パ技ラボ(パフォーマンス技術研究会)のメンバーの、斎藤と申します。

Juggling Unit ピントクルとの関係は、2016年3月の『像と響』という公演の準備をしていた2015年の暮れ頃からなので、だいたい丸2年になります。この「秘密基地」シリーズも、vol.5あたりから照明で関わってきました。

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今回のパ技ラボのタイトルは『Remote Lighting』です。けっこう直球のタイトルで、やることとしては「東京から京都の照明を操作する」ということです。

私はこの春から東京で会社員をするようになったのですが、これからも舞台照明に関わっていきたいと思っています。
そこで思ったわけです。照明を遠隔地から操作する仕組みを作れば、東京に居ながらにして舞台に参加できるじゃないかと。

技術的なキーポイントとしては、「インターネット越しに」照明が操作される、という部分です。
実は、(インターネットではなく)ローカルのネットワーク内であれば、既にいろいろな技術が確立されています。劇場内であれば、客席に座っている人がスマホから舞台照明の操作をすることも、(実用性はさておき)それほど難しくありません。

しかし、物理的に数百km離れた場所からの操作ということになると、インターネットを経由するほかありません。
そのための仕組みを、今回作ったわけです。

……と言っても、C++等の言語を操れる本格的なプログラマーが今回参加していないため、仕組みとしては、「既存のソフトウェアの組み合わせ」ということになります。

それでも、机上の議論から始めたものを舞台に乗せるまでには、いろいろな課題をクリアしなければなりません。
たとえば、舞台に乗せる以上、この演目で何が行われているのか、お客様に分かるようにしなければなりません。
ただ「照明の明るさが変わる」という結果だけを提示されても、その場で操作しているのか、本当に東京で操作しているのか、分からないですよね。

なので、Skypeで中継を行うとか、そうするとカメラの画角はどうするとか、Skype回線と照明を操作する回線は別々の方がいいのかとか、京都にいる照明さんとはどのように連携するのかとか……、色々な課題に発展していくわけです。それらを一つ一つ解決していって、ようやく本番にこぎつけることができます。

技術としては小さなものでも、それをナマの舞台に乗せるとはどういうことなのか、身に染みて感じられる日々です。

ところで、こういうことに興味のある皆さんは絶対に疑問に思うでしょう。
「東京から操作して、どれくらいタイムラグがあるの?」

…それは是非、本番を見に来てください。何らかの参考にはなると思います。
ついでに、他の演目も含めて、小劇場で行われるジャグリングイベント、という催し全体を楽しんでいって頂ければと思います。

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